ノートアプリのフォルダを作るとき、番号を付けていますか? 私はノートアプリを使うたびに、フォルダ名の頭へ00_や01_と数字を付けてきました。理由は単純で、並び順をきれいに保ちたかっただけです。
ところが最近になって、このやり方が「Johnny.Decimal」という有名な整理法とよく似ていると知りました。メモの育て方のほうも、調べてみるとツェッテルカステンという方法にかなり近かったんです。名前も理念も知らずに使っていた方法を、あとから答え合わせできた形でした。
この記事では、2つの手法をざっくり整理したうえで、私のフォルダ設計を公式と見比べてみます。公式どおりに作り直す話ではありません。「ここは合っていた、ここは違っていた」を確かめる、実運用の記録です。
- Johnny.Decimalとツェッテルカステンの違いと、両立できる理由
- 自己流のフォルダ番号を、公式の番号体系と見比べた結果
- フォルダ番号が「メモの育ち具合」を表すようにした工夫
- 番号を振り直すときの注意点と、AIエージェントに任せた実例
Johnny.Decimalとツェッテルカステンをざっくり整理
2つの手法は、どちらも「あとで迷わない」ための整理法です。ただし得意分野が違います。Johnny.Decimalは「どこに置くか」を決める手法で、ツェッテルカステンは「メモをどうつなぐか」を決める手法です。
整理法を調べると、「フォルダは使わずリンクでつなげ」「すべてに番号を振れ」と、真逆に見える話が出てきます。どちらに寄せるべきか、迷いますよね。実は担当している範囲が違うので、同じVaultの中で両立できます。
Johnny.Decimal:番号で「置き場所」を固定する
Johnny.Decimalは、2桁の番号でファイルの置き場所を決める整理法です。公式の番号体系は、次の3段になっています。
| 段 | 番号の例 | 役割 |
|---|---|---|
| エリア | 10-19 | 大きな分野。10個ずつの番号をひとまとめにする |
| カテゴリー | 11 | エリアの中の分類 |
| ID | 11.01 | カテゴリーの中の個別の項目。番号の後ろに名前を付けて使う |
00-09はシステム管理用のエリアとして予約されていて、ユーザーが使うエリアは10-19から始まります。すべてのIDを記録する索引は「JDex」と呼ばれ、00.00に置くのが基本です(2026年11月時点の公式サイトで確認)。
番号が「住所」の役割を果たすので、探すときに迷いません。そのぶん、あとから番号を変えるのは大変です。
ツェッテルカステン:リンクで「つながり」を育てる
ツェッテルカステンは、ドイツの社会学者ニクラス・ルーマンが使っていた「メモ箱」に由来する方法です。考え方の柱は、次の3つにまとめられます。
- 1つのノートには、1つのアイデアだけを書く
- 引用ではなく、自分の言葉で書く
- ノート同士をリンクでつなぎ、なぜ関連するのかも書いておく
Obsidianでは、「思いつきや読んだ内容をいったん受け止める」「整理して自分のノートにする」「まとめノートでつなぐ」という3層の流れで紹介されることが多いです。このまとめノートは、MOC(Map of Content)とも呼ばれます。ただしMOCはルーマンの用語ではありません。主にNick Milo氏(Linking Your Thinking)が広めた呼び方です。MOCと検索の使い分けは、MOCと検索の使い分け方|Obsidianで迷わないための基準で詳しく書いています。
2つの手法の違い
違いを表にまとめると、次のとおりです。ツェッテルカステン側は、Obsidianでの一般的な運用をもとにしています。
| 観点 | Johnny.Decimal | ツェッテルカステン |
|---|---|---|
| 決めること | どこに置くか | どうつなぐか |
| フォルダの扱い | 番号付きで最初に設計する | 最小限にする |
| 探し方 | 番号(住所)でたどる | リンク・バックリンク・MOCでたどる |
| 変更のしやすさ | 番号は固定。変えるときは慎重に | リンクを足せば柔軟に変わる |
置き場所はJohnny.Decimalに、中身のつながりはツェッテルカステンに任せる。こう分ければ、ぶつからずに使えます。
私のフォルダ設計を公式と見比べてみた
ここからは、私のVaultを例に答え合わせをしていきます。まずは今のフォルダ構成から。
00_inbox … 未整理メモの受け皿
01_blog … ブログ記事
02_memo … メモ
03_uma-musume … ゲームの攻略メモ
04_life … ライフログ
05_daily-log … 日次ログ
10_wiki … AI用の知識ベース
11_digest … 自動収集した情報
12_web-clip … Webクリップ
13_blog-research … ブログのリサーチ結果
99_places … 地図用データ
100_moc … MOC
997_log … 実行ログ
998_files … 画像・資料
999_Templates … テンプレート

自己流の3つのルール
ルールはシンプルで、次の3つだけです。
- 番号は主にフォルダの頭に付ける。ノートには付けない
- よく触るフォルダは1桁台の若い番号、外部から取り込む情報やリサーチの置き場は10番台にする
- ログ・テンプレート・ファイル置き場など、あまり触らないものは大きな番号へ追いやる
番号を見るだけで、そのフォルダをどれくらい触るかが分かります。作業場所がファイルエクスプローラーの上のほうに集まるので、毎日の操作も楽です。
公式との違い
公式の番号体系と並べてみました。
| 観点 | 公式のJohnny.Decimal | 私の自己流 |
|---|---|---|
| 番号を振る対象 | エリア・カテゴリー・IDのすべて | 主に最上位のフォルダ(一部の下位フォルダにも連番) |
| 階層 | エリア→カテゴリー→IDの3段 | 番号は主に1段。一部のフォルダは2段目にも連番 |
| システム系の置き場所 | 先頭の00-09 | 末尾の997_〜999_ |
| 番号の区切り方 | 10個ずつのまとまり | 用途ごとにざっくり(1桁台・10番台・大きな番号) |
いちばん面白かったのは、システム系の置き場所です。公式は管理用のものを先頭の00-09にまとめます。対して私は、テンプレートやログを末尾の3桁に追いやっていました。「先頭で管理する」か「視界の外に隔離する」か、発想がちょうど真逆です。あなたのVaultでは、テンプレートやログのフォルダは先頭と末尾のどちらにありますか?
一方で、「番号で場所を一意に決める」「番号を見れば分野が分かる」という核の部分は、ちゃんと合っていました。海外には、0〜9を最上位の分類にしたアレンジ版のJohnny.Decimalを紹介しているブログもあります。私のやり方も、そうしたアレンジの仲間と言えそうです。
フォルダを使わないやり方もある
英語圏には、フォルダを使わずにJohnny.Decimalを組む方法を紹介する記事もあります。番号付きの索引ノートをフォルダ代わりにして、関連ノートへリンクを張るやり方です。フォルダを動かさずに分類を変えられるのが利点ですね。
私も索引ノートは使っています。ただし、特定のカテゴリーのまとめという形で使っていて、メインはあくまでフォルダです。こういうやり方もある、くらいに覚えておくと、自分に合う形を選びやすくなります。
番号の若さが「メモの育ち具合」になっていた
もう1つの答え合わせが、ツェッテルカステンとの対応です。名前を知ってから見直すと、フォルダ番号がメモの処理段階とおおまかに重なっていました。
3層の流れとフォルダの対応
ツェッテルカステンの3層を私のフォルダに当てはめると、こうなります。
| 層 | 役割 | 対応するフォルダ |
|---|---|---|
| 収集 | 思いつきや他人の言葉を、いったん受け止める | 00_inbox/12_web-clip |
| 咀嚼・最小化 | 1ノート1アイデアで、自分の言葉に直す | 02_memo/10_wiki |
| 統合・構造化 | メモ同士をつなげて、記事やまとめに育てる | 01_blog/100_moc |
Webクリップや思いつきは、まず00_inboxと12_web-clipに入ります。読んで「これは使える」と思った要点だけを、02_memoや10_wikiへ切り出す。それらをつなげてブログの企画にしたり、MOCにまとめたりする流れです。
正直に言うと、番号順にきれいに並んでいるわけではありません。統合側の01_blogが若い番号にいますし、100_mocは3桁です。それでも「若い番号ほど作業中、大きい番号ほど保管」という大まかな流れは、番号から読み取れます。
名前を知ってから手直しした点
使い始めた当初も、番号は大まかに考えて振っていました。ただ実際は、00、01、02……とほぼ連番で並んでいるだけでした。新しいフォルダを作るたびに、末尾へ番号を足していた状態です。
2つの手法を知った前後から、少しずつ次のように並べ直しました。
- よく触るフォルダを、若い番号に集めた
- 外部から取り込んだ情報やリサーチ結果の置き場を、10番台にまとめた
- あまり触らないフォルダを、大きな番号に寄せた
連番をやめて間をあけたので、あとからフォルダを足しても番号の意味が崩れにくくなりました。公式サイトにも、分類には「拡張の余地を残しておく(Leave room for expansion)」という助言があります。結果的に、ここも答え合わせができた部分でした。
フォルダ番号を変えるときの注意点
番号はフォルダの「住所」です。ノートが少ないうちは気軽に変えられますが、増えてから変えると影響が一気に広がります。
変えると影響が出るもの
Obsidianの機能でフォルダ名を変えれば、既定の設定のままならVault内のwikilinkは自動で追従します。注意したいのは、それ以外の場所に書かれたパスです。
- フォルダ名で動く自動化プラグインの設定
- スクリプトやテンプレートに書いたパス
- AIエージェント向けのルールファイルや指示書
- 定期実行タスクのプロンプト
これらはフォルダ名をただの文字列として持っているため、自動では書き換わりません。
AIエージェントに振り直しを任せた実例
こうした手直しでフォルダを移動・改名したときは、AIエージェント(Claude)に手伝ってもらいました。その一つが2026年9月の振り直しで、06_wikiを10_wikiに、05_web-clipを12_web-clipに変えています。
リネームそのものはObsidian本体の機能で行い、リンクを追従させました。そのうえで、ルールファイルや指示書、定期実行タスクに残った旧パスの洗い出しと書き換えをAIに任せています。手作業だと見落としそうな箇所まで拾ってくれたので、とても助かりました。
ひとつだけ、先に自分で直したものがあります。タグをもとにノートを自動で移動する、AutoMoverの除外ルールです。除外ルールはフォルダ名の文字列で指定しているため、先に新しい名前を足しておかないと、改名した瞬間にノートが別のフォルダへ移動してしまう恐れがありました。設定は自分で直して自動判定もいったん止め、リネームはAIに任せる。この分担で誤爆を防げました。
AutoMoverの除外設定は、AutoMover(al0cam版)の使い方|タグ検知で自動移動+除外設定で解説しています。AIに任せる範囲の決め方は、ObsidianのAIエージェント運用|権限表と失敗談で作るルールにまとめました。
まとめ
名前も理念も知らずに続けていたフォルダの番号付けは、Johnny.Decimalとツェッテルカステンの両方に重なる部分がありました。公式どおりでなくても、核の考え方が合っていれば十分に機能します。
- Johnny.Decimalは「置き場所」、ツェッテルカステンは「つながり」の担当。役割が違うので両立できる
- 公式の3段の番号体系でなくても、番号で場所と使う頻度が読めれば迷わない
- 番号の若さをメモの処理段階に重ねると、Vault全体の流れがひと目で分かる
- 番号を変えるなら早めに。自動化プラグインの除外ルールなどは先に自分で直し、パスの洗い出しはAIに任せる
これからフォルダを整える方は、まず「よく触るものに若い番号を振る」ところから試してみてください。並べ替えるだけでも、Vaultの見通しがかなり変わりますよ。
- 散らかったObsidianを卒業しよう。ノート管理が楽になるプラグイン活用術
— フォルダ以外の整理方法もあわせて知りたい方向け - Obsidianのノート管理を自動化する方法|4つのプラグイン連携ガイド
— ノートの振り分けを自動化したい方向け - Obsidian使い方まとめ|検索・データ構造化・自動化まで全記事ガイド
— Obsidianの活用法を全体から見直したい方向け
